修復の話




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さて、長らく触れていなかった家の修復について、今日は現状をお知らせします。 






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去年の八月の末からずっと続いている修復ですが、 まだ終わっていません。 滝涙。 

ご覧のように、 私が日本に行っている一週目に屋根がやっと終わり足場も取れました。 予定より三ヶ月遅れでしょうか。 
リビオの仕事、あまりに完璧すぎて、本当に時間がかかりました。 屋根は完璧なのですが、 一つ残念な点があります。 それは、二つの長屋状の建物の屋根、元々は高低差があったものを一つにつなげたため、 煙突が一つ異常に短くなってしまったことです。 二番目の写真の右側の煙突です。   どうして煙突を高く作り直すことをしなかったのか、すごく不思議。 どうみても変です。 


その後、 さっさと内装に手をつけてくれればよかったのですが、 リビオは他の場所で外仕事が待ち受けているので、(何しろ三ヶ月遅れですからね)  雨の日だけうちに来てくれることになったのです。   が〜ん。 

というわけで私が日本から帰って来た2週目からまた工事が始まってしまいました。  いない間にして欲しかった。

なぜ嬉しいはずの修復の進行具合についてブログにずっと載せなかったかというと、 私、 本当に嫌になってしまったのです。  内装の仕事は中の傷んだ漆喰の壁をいったん全てはがしたり、 穴のないところに穴を作ったり、あるいは穴を埋めたりして均等に漆喰を塗っていく作業なのですが、 私にとって、もう仕事場のすぐ隣で作業してをしているという状況が耐えられず、 本当に何も手につかなくなってしまったのです。 

日本に帰って少し休憩を入れたら大丈夫になるかと思ったら全然ダメでした。  しかもかなりうるさい作業の時もありますし、 そうでなくても人の気配がすぐドアの後ろにすること自体がダメになってしまい仕事が手につかないのです。 

おまけに、 今まで触れなかったのですが、 もう一つ問題も・・・・・・


リビオ、 ちょっぴり変わっているけれどいい人だし、 個人的には全く何の問題もないのですが・・・・・

おそらく奥様が洗濯をする時に過剰な量の化学洗剤か柔軟剤を使っているのです。 尋常な量では無いと思います。   
その匂いが好きで、 わざと過剰に使っているとしか思えません。 そして、リビオの休憩室が家の中、3階にあるのですが、 リビオがドアを開けて一歩入って来た途端に家中が匂うのです。    これがまた本当に強烈な匂いで、 リビオの部屋はリビオが一ヶ月いなかった間ずっと窓を開けて空気を入れ替えていたにもかかわらず、 壁や家具や、そこに置いてあったキャンバスにまで強烈な匂いが染み込んでしまって取れないほどに臭いのです。(私には臭いと感じてしまう・・・・・)
    
私は人工的な芳香剤の匂い的なものにとても弱いので、 これはかなりシビアな問題で、 しかもだんだんアレルギーっぽくなってしまって、 今まで気にならなかった他の色々な些細な匂いまでひどく気になるようになってしまいました。  
精神的なものなのかアレルギーなのかわからないのですが、 そのリビオの匂いが少しでもすると頭が痛くなって吐き気までするのです。 もしかして、花粉症と同じである飽和量に達するとアレルギーになるのでしょうか? 

奥様が焼いたお菓子なども時々くださるのですが、 お菓子も洗剤の味がするのです。 なぜ? どうして?   食器洗剤も多用しているの???
申し訳ないのですが、 お気持ちだけいただいて食べられません。   今までの人生で、 ここまでこうした洗剤の匂いをプンプンというか、ガンガンさせた人に初めて出会いました。
私だけが過敏なのではなく、kumatoさんもこの匂いには私ほどひどくはないとはいえかなり参っています。 

うちの休暇用アパートに時々泊まりに来る人が、 アフターシェーブ(だと思う。コロンかもしれない)を異常な量使っていて、 その人が帰った後その匂いが何日も消えずに本当に困ることがあるのですが、 この洗剤の匂いはそれ以上にすごい。一体どれだけ使ってるの??  一回の洗濯に瓶一本使ってるの? っていうくらいすごい。  


長くなりましたが、そんなこんなでもう、 この修復が苦痛で苦痛で仕方がないので写真をとってブログに載せる気すらしなかったのでした。 




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リビオは雨の日しか来ないので、 遅々とした進行状況ですが、 だいぶ部屋らしくなりました。
私が日本に帰っている間にkumatoさんが部屋の中や外回りの瓦礫を全て片付けてくれていて、 (相当大変だったと思う) 本当にありがたいことです。





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シンクもつきました。 (ドアの向こうが私のアトリエ)   先週水道屋さんがやっと来てくれて、 開通し、これからはドアを三枚隔てた向こうのkumatoさんのアトリエまでわざわざ行かなくてすむようになりました。 大きなバケツ二つ分いつも運ぶので、結構大変だったのです。  これは嬉しい!  


そして、 今日、突然大工さんがやって来て、 窓を付けてくれました!!!   まだ全部は終わっておりませんが、 これも嬉しい!



ここは、四畳半くらい? の小さな部屋です。 将来、小さな版画の印刷機も入れる予定。  ワクワク





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こっちは、 キャンバスなどを置く倉庫になります。 倉庫にするにはもったいない空間。


ちょっと、天井=屋根 をみてください。 そのつもりで撮ったのではないのでわかりにくいのですが、石がぴったり重なっていて光が入って来ないでしょう? まるで出来合いのスレートを買って置いたみたいな仕上がりなのです。 伝統的な屋根は、もっとスカスカですよ。 kumatoさんの外アトリエなど、 ものすごい粉塵が風とともに落ちてくるし、 あちらこちらの隙間から光が入って来ます。

この完璧なのが良いか、というと実はそうではないという見方もあります。 スカスカしていることで風通しがよく、梁が腐りにくいのだそうです。  リビオの完璧すぎる仕事、 吉と出るか凶と出るか。 

ここは、屋根の内側に直接断熱材を貼り付け高い天井にします。 元々小さく天井の低い空間なのでそうするのですが、伝統的な修復の仕方としてはこれは本当はNG。   普通の平らな天井を作って、その上に断熱材を置き、 屋根をいつでも内側から見える状態にしておくことが本当は大切なのです。    そうしておけば、 仮に雨水が入り込むところがあってもすぐに見つけて、 そこだけ直すことができるからです。  こうして天井に直接断熱材を貼り付けるやり方ではおそらく50年持つかどうか、  伝統的なやり方ならば数百年、あるいはそれ以上健全な屋根を保つことができるのだそうです。

本当は私たちのアトリエも、 屋根裏の空間を生かして(かなり巨大なスペースなのです) 高い天井にしたかったのですが、 そうした見地から普通の天井にすることにしました。  



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この倉庫の部分はほぼ終わりましたが、 小さな部屋の方はまだ壁を均等にする作業、そして床を作る作業が残っています。  このペースだと、まだ相当かかりそう。 雨の日が少なかったら夏までかかるかも? 
ただ、先々週のように丸々一週間雨が降ると、私の仕事が手につかないのでそれも困るので、 程よく雨の日があると良いのですが。

都合が悪いのは、 雨が降ってリビオが来てガンガン働いてくれると私の仕事ができない、 しかも、 その代わりに最も時間を割きたい庭仕事もできない!! ということです。 

雨の日は、悶々とするしかない!!!  涙 


先週からは夏日がずっと続いたので、 先々週のつけが回って庭仕事が超大変、種もまきまくり、苗の世話に追われ、 いきなり毎日30度近くの暑さになったので衣替えもしなくてはならず、 合間にアトリエに駆け上がってなんとか仕事を進めようと頑張って、 ご飯を食べるのもそこそこに本当に忙しく過ごしていました。  
kuamatoさんがいると、 料理や食事に割く時間が長いので(笑) ちょうど休憩になって良いのですが、一人だと集中しすぎてしまっていけません。   

洗濯するウールのセーターは山積み、 スキーの道具もしまうために袋などが周りに散乱、 家の中も外も苗床でいっぱい、 超散らかった中で暮らしています。


そんなこんな、修復の辛さ プラス  嬉しさのご報告でした。  






by tomomato | 2018-04-24 04:30 | 石の家の話 | Comments(0)


イタリア@アルプスのふもと do田舎暮らしー自然と美しきものとの暮らし  大きな岩の上に佇む石の家でART*こころとこころのつながり*くいしんぼ


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