よみがえる? 忘れ去られた森の村





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まえ、住んでいたお家と、今のお家のちょうど真ん中ぐらい、山の中腹にすっかり打ち捨てられた村があります。  50年、100年くらい前はその周りはずっと葡萄畑が段々畑のように広がっていたようですが、今ではすっかり森に囲まれてしまいました。 







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森の中を散歩していて、 初めてその村にたどり着いた時には本当に驚きました。 ほぼ全ての家々が崩れ去り、 何とも言えない不思議な、いや不気味な雰囲気だったのです。







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もし、天気の悪い夕暮れにここ一人で来たら、 怖くなるかも・・・・・










5、6年前から、kumatoさんの知り合いの、 この地域の石作りの家の保存協会を主催している方が、この村をまた生き生きとした人の住める場所にするように運動を始めました。









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この場所は、森の奥深くにあり、直接車で建築資材を運べる場所ではありませんので、 なんて気違いじみたアイディアだろうと、 その計画を聞いたほぼ全ての人が思ったことと思います。







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ところが、 一軒だけ屋根が残っていた家を、保存協会に参加している若い夫婦が買って、 住めるような家に改築したのです。  彼女は建築家、彼は小学校の先生でしたが、 週末や休暇を使ってほぼ全て2人で、その小さな家を住みやすそうな心地の良い山小屋に修復しました。 





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当時、 kumatoさんと森の中を散歩する時には必ず寄って、家の進行具合をチェックしに行ったものです。

最初は、信じられないと思ったのですが、 徐々に人が住めるような空間が出来上がって行くのを目の当たりにして、 驚きとともに感動すら覚えました。 


残念なことに、今回は上の、入り口の写真しかとりませんでしたが、 いつかその小さな家をご紹介したいと思います。





ただ、その周りの家は屋根が無いどころか、 ほぼ壁まで崩れ去った家ばかり。





でも、 保存協会の主催者の方が、 2、3年前からアメリカやカナダの大学生のプロジェクトとして各大学と提携し、 毎年すこしづつ修復を進めているのです。






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去年は、 ある建物の入り口が出来上がっていました。 元は何も無かった所です。 そして、今年は上の写真の様な建物が出来上がっていました。 

ドーム型の天井の部屋です。 





中に入ってみると・・・・












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ちょっとうまく写真が撮れなかったので、 イメージがわくかどうかいくつか写真を並べてみました。


こうしたドーム型の天井を作るためには、 まず、内側にネガティブのフォームを作らなければ行けないのです。 この場合、全て木でドーム型の型を組んでから作ったようです。 (土を盛り上げて型を作る場合もあるそうです。) 

かなり大きな部屋なので、 何枚もの木を少しずつ組み合わせてドーム型を作っていました。 





そして






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その木組みの上に、このように石を敷き詰めて、カルチェで固めて行くのです。 石がアーチ型に敷き詰められるので、 かなりの強度のある天井になります。

こうした石で作られたドーム型の天井は、 この地方では主に地下室に用いられています。 それは、地下室の湿気で腐らないように、木ではなく石の天井を作る必要があったからだそうです。 







そして、この新しく作られた小屋の横には、 屋外劇場が作られていました。 これも、今年の学生が作ったものだそうです。









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小さな屋外劇場ですが、とても雰囲気があって、 ここで夜に松明の火で演劇やコンサート等したらすごく神秘的だろうなあ、 と思いました。 






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でも、残りの家々はまだ廃虚のままです。 半端じゃない、壊れきった家々です・・・・・







この村の家が再び壁を持ち、屋根を持つようになるまでいったい何年かかることでしょう? 


でも保存協会の運動のお陰で、 全ての家が新たに保存協会をサポートする人達の所有になったそうです。 学生達の助けを借りて、時間はかかっても着実に修復されて行くのかもしれません。


保存協会の主催者の方を始め、ここを修復しよう! という気持ちのある人達は、何か、熱い衝動に動かされているのだろうなあ、と感じます。

なにか、’ロマン ’ があるっていうか・・・・・・




この今年の学生達の活躍が、地元の新聞に取り上げられ、 土日には沢山の人がこの場所を見に来るようになりました。
今日も、うちの前で車が止まって、 この場所に行きたいのだけれど道を教えて欲しい、と数回聞かれましたよ。


すっかり打ち捨てられ、忘れ去れていたこの森の奥の廃虚の村が、こうして再び人々の注目を浴びるようになっただけでも、 すごいことなのかもしれません。





そういえば、この間の日曜日に、 久しぶりに若き天才建築家、 アンドレアの村にいってみたら、アンドレアの家も塔が既にでき、 新たに煙突が2本作られていました。 

若いってすごい!  あの調子で行けば、アンドレアのうちもすぐに人が住めるようになると思います。 





pietra sole をよろしく!
by tomomato | 2013-08-21 06:27 | 石の家のある所ー0SS0LA | Comments(10)
Commented by la_mia_coccolina at 2013-08-21 08:12
tomさん、こんにちは~^^
森の中に現れる廃墟、童話の世界に迷い込んだようでわくわく、どきどき、ぞくぞくしてしました。ぞくぞくは怖いのではなくて何だろう?興奮かなぁ?
中世の建物がこうして残っているというだけで心が躍ります。無理と思われるプロジェクトを少しずつ進めていくだなんて、なんて素晴らしいのでしょう。
1621年と彫られている石のお家の紹介、楽しみにしていますね!1621年。。。あぁ、それだけで妄想の世界が広がってしまうなぁ
アメリカの学生さんたちも様々な夢や希望を抱えて取り組んでいるのだろうなぁ、と思うと何だか元気を頂けますね^^
Commented by Saki at 2013-08-21 08:47 x
す、すごい。アメリカにカナダ?!国際的ですねー。
ネガティブなフォームを作ってから石積み…手間が大変そうです。
石好きとしてはワクワク。
この廃墟の村が修復された姿、いつか見てみたいです。
Commented by africa at 2013-08-21 10:04 x
若者のエネルギーにうまく修復の場を与えると、ガシガシ治してくれるんだね。すごくいいアイデア。日本も建築家の学生や色んな子たちの修業の場として、そういうことをさせたらいいのにッて思った。そんな不便なところに、たくさんの木材で修復されてるのに驚いたわ。人海戦術?本当に蘇るかもしれないね。このお話しも楽しみにしてるわ。最後のpietra sole、リンクされてないよ~。
Commented by さなえ at 2013-08-21 18:28 x
やる気になったときの人間の力ってスゴイです。私に言わせればtomさんたちも十二分にスゴイです。

イギリス西南の端までミナック・シアターという女性が1人で断崖を削って舞台や椅子を作り上げた劇場を見に行ったことがあります。まだ現役の劇場として夏の間、公演をしています。人間って…と絶句しました。

ご参考までに私のブログの右端の一番下に記事の検索ボックスがあります。ミナック・シアターで検索して頂けると写真がありますので、お暇なときにでもどうぞ。

pietra sola楽しく拝見しています。素敵な写真が一杯ですね。facebookは実名を出さなければならないので読み逃げです。ごめんなさい。
Commented by fran0923 at 2013-08-21 19:31
すご〜い。スケールが違いますね。ほんと、若い人ってこんな村をも修復出来る力を持っているのですね。これからが楽しみです。
石造りの家そのものがすごい存在感ですものね。
この村のこれからの在り方に注目です。
Commented by tomomato at 2013-08-22 05:01
la mia cocolinaさん、cocolinaさんは、中世の時代への憧れがすごくあるのですね! この場所は本当におとぎ話の中に迷い込んだみたいな場所ですよ。 最初にいったときにはまだ周りも荒れていましたし、 お化けが出そうと本当に思いました。  この日は、 その若夫婦がいなくて写真が撮れなかったのですが、機会があったら是非中の写真をとってご紹介しますね。 ちっちゃくって可愛いの。
Commented by tomomato at 2013-08-22 05:03
sakiさん、 その保存協会の会長が、アメリカ人なのですよ。^ー^それでその関係で英語圏の人達がくるようになったのです。 面白い人達が毎年来ますよ。  ネガティブのフォーム、昔は土で作った所もあったようですよ。 後で土をかき出すのが相当大変だったと思いますが。
Commented by tomomato at 2013-08-22 05:05
africaさん、 その学生達は、信じられないくらい高いお金を払って、 (大学に〜そうね、2週間で20万くらい?) やってくるのよ。これに参加すると単位が貰えるらしい。 その保存協会のボスは、結構ビジネスマンで、 自分の夢と、大学のプログラムのニーズと、うまく併せてやってるの。 彼は凄い所にすんでて、そこで宿泊とご飯を提供して彼はそれで儲ける仕組み。でも大学生にとってはすごく貴重な体験だし、 いい試みだよね。 木は、途中までジープで運んで、後は人力で引き上げたみたいよ。森の中に沢山破片が落ちてた!
Commented by tomomato at 2013-08-22 05:07
さなえさん、シアターの写真を見てみました。 とっても雰囲気のある素敵な場所ですね。 女の人が一人で削って作った??? というのは信じられない! 確かに人間やる気になったらすごいかもしれませんね。 (kumatoさんも、確かにすごい・・・)pietra soleの方も読んで下さってありがとうございます。 読み逃げで充分です! 来て下さるだけで!
Commented by tomomato at 2013-08-22 05:08
fran0923さん、 ここは本当にすごいです。 すこしづつでも手がはいって、何かが変わって行くのが信じられません。 最初の状態があまりに酷く、怖いくらいだったので、こんなに素敵な劇場が出来たなんて! 人間の力ってすごいですよね。


イタリア@アルプスのふもと do田舎暮らしー自然と美しきものとの暮らし  大きな岩の上に佇む石の家でART*こころとこころのつながり*くいしんぼ


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