イーハトーブに行ってきました 2
花巻から遠野までは、一時間ちょっとかかりました。 途中、銀河鉄道のイメージモデルになったと言われる眼鏡橋などもあったのですが、(今は恋人の聖地とか 笑) 雨も降っているので、 立ち寄らずにまっしぐら・・・・・
車中からの紅葉が素晴らしく、目を見張るような景色が続きました。 (あまり脇見できなかったので残念)
途中で遠野の道の駅に寄ったら、 なにやら美味しそうなものがたくさんあって母と私で買いまくりました。 普通私も母も、こういうところで買い物に走ることはないのですが、 多分お腹が空いていたせいか?? りんごだの南部せんべいだの地元のお菓子だの花豆だの買うわ買うわ・・・・苦笑。おいしいそうなものがいっぱい! 今は宅急便で送れるから便利ですよね〜〜。
遠野は、私も母も漠然としたイメージしか持っていなくて、 昔の曲り家がポツンポツンと風景の中に点在していて、 それを一つ一つ見て回るのかなあ・・・・ と思っていたのですが、 全然違いました。
便利なようで、残念なようでもあるのですが、 数カ所にそうした昔の建築物を集めて遠野の昔の風景を再現したような場所があり、 そこに行けば建物の中にも入れるし、 いろいろと体験することもできるようになっていました。
まずは伝承園に・・・・・・
ここにはレストランもあって、 郷土料理を食べることができます。 少し遅い昼食をとりました。 山菜がたくさん入っていて、おいしかったです。
ほおずきが綺麗。 私の庭にもほおずきを植えましたが、 やはり和風の風景に似合うなあ。 イタリアの石垣じゃなあ。
伝承園では、民話の語りも聞くことができます。 遠野の幾つかの施設でそうした催しがありました。
オシラサマの間。 ちょっと怖かった〜〜〜〜
ちなみにオシラサマとは・・・
遠野物語にもでてくるお話の中に、 馬と恋に落ちた娘の悲劇の物語があり、 その主人公の娘と馬をかたどった対のお人形を神様として祀っているのです。 遠野の文化は馬がとても大切な役割を果たしており、 そんなお話が生まれたのだそうです。
河童にも会いに行ってきましたよ〜。 笑 母に、 ’これから河童に会いに行くんだよ!’ って言ったら、’あら、ほんと!?? 河童がいるの? ’ って本気にしたので焦りました。 笑
夕暮れで雨模様の中だったので、 本当に出てきそうでした。
その後、遠野の風景がまだ残っている地区まで車を飛ばし、水車小屋を見に。 でもこれは思っていたのと全然違いました。 調べていた時に見た写真では昔の水車小屋だったのですが、 すっかりきれいに修復されていて。あまり風情が・・・・・・ でもこのあたりの風景は昔の遠野の光景そのままで、 ただ車でドライブして、 足を止めて外に出て、その景色の中に身を置くだけで素晴らしかったです。 別に、テーマパーク的なところに行かなくっても充分よくて、 ただそこにいるだけで、その風景の中に立つだけで、 遠野は本当にいいところだなあ、と思いました。(と言いつつテーマパークみたいなところも楽しんだのですが・・・・)
遠野には、面白い民宿などもありそうでしたが、 私たちは部屋にトイレがあるホテルに泊まりました。 夜は語り部のお話もあり、面白かったです。
翌朝は、天気が回復したのでホテルの周りの街の中を散策しました。
遠野は、 来る前には民間伝承の溢れる田舎の風景だけが頭の中にあったのですが、実は南部藩の立派な城下町でした。 街の中には、とおの物語の館や、武家屋敷資料館、そして市立博物館などがあり、 まずはホテルに車を置いてそれらを見学しました。
遠野物語の館に併設した、柳田國男関係の展示が面白かったです。 あまり知識なく向かったので、いろいろとその時代背景やどのようにして遠野物語が生まれたか知ることができて良かったです。
特に良かったのは、市立博物館でした。 とてもよくテーマごとにまとめられていて、遠野という地の歴史について面白い展示がされていました。 母が博物館に行きたいと言ったので、 どうせつまらないかなあと思って付き合ったのですが、行って本当に良かったです。
青空のもと、 遠野ふるさと村へ・・・・
最初、そんなテーマパークみたいなところ、たいして面白くないわよ・・・もう遠野の風景も存分に味わったしそれでもう充分、 でも時間があるから行ってみようか、という感じで向かったのですが・・・・・
面白かった〜〜〜〜〜
遠野の昔の風景はこんな感じですよ、 と再現したいわば ’嘘’ の光景なのですが、移築された建物があまりに素晴らしく、 面白いのです。
馬までちゃんといる・・・・ 私たちのために、ここにいてくれているのですよね・・・・
かわいそうなような、ありがたいような・・・・
遠くに見える山の風景も美しくてね、 広い敷地を歩くのも楽しかったです。 お天気になって本当に良かった!
この子、 撫でてあげたらず〜っとず〜っと私の方を見ていて・・・・・
お別れが悲しかったです。 一日中観光客のためにここに繋がれていて、何を考えているのかなあ。
敷地内では田んぼもあって、刈り入れをしていました。
でも、機械で!!! 笑 どうせなら、この光景の中で、手で刈って欲しかった〜〜〜 笑
日本一大きな大観音像があるとかで、福泉寺にも寄ってみました。
大観音像もすごかったけれど、お寺の敷地の広さと紅葉の素晴らしさに驚きました。
この後は遠野郷土人形民芸村に行ってきました。 見つけるのがとても難しいところで小さな民家でしたが、可愛らしいお人形がたくさんあって、ついつい買いたくなったのですが置き場所に困るのでぐっと我慢・・
遠野には、続き石や五百羅漢、卯子酉神社など、遠野物語の伝承につながる観光名所がまだまだあるのですが、 何しろ気温が低いし、母の足を考慮して無理せずに、+ 私も母も、おどろおどろしいところはちょっと苦手(笑) なのでそれらはパスしてしまいました。 それでも十分楽しかったし、いろいろなことを知ることができました。
何よりも良かったのは、 遠野のその風景の中にただいること・・・・・・ いつか気候の良い時に、ゆっくりハイキング/散策でもしたいなあ。
それでも、旅行はやはり結構歩くようで、毎日10,000歩超えるくらい歩きました。(母の携帯、万歩計が付いているのです。笑)
車は遠野駅で返して、 帰りは釜石線で花巻までのんびりと帰りました。 ちょうどシーズンが終わったところだったので残念だったのですが、 この路線は観光向けにSL列車が通っているのですよ。 それに乗ってみたいなあ。
行きは車だったので、外の光景はそれほどゆっくり見られなかったのですが、 電車からの景色も堪能し、 銀河鉄道の眼鏡橋の上も通って(見えないけれど 爆)楽しみました。
岩手=イーハトーブは、日本という国にとどまらない国際的要素がある、とどこかで読んだことがあるのですが、その時には東北の純日本風景だけが頭に浮かんで、ちょっと理解できなかったのです。 けれども、花巻といい遠野といい、 その風景の中に、空の広がりの中に、 世界につながっていくような、 宇宙につながっていくような、単に日本ではないような、 そんな感覚がありました。
宮沢賢治がいつもの日常風景の中から宇宙につながっていったことが、 ごく自然なことのように感じられる、 そんなところでした。
十一月の初めでも、かなり冷え込んで、これから迎えるであろう厳しい冬を想像すると怯みますが、 一度長い間住んでみたいところだなあ、 と感じるほど素敵なところでした。
たった二泊三日だとは思えないくらい、もっともっと遠くに旅行したのではないかと感じるくらい、充実した素晴らしい旅でした。
何よりも母と二人で、 前から一緒に行きたかったところにこうして旅をすることができて、本当に感謝しています。
さて、 明後日、イタリアのお家に帰ります。 帰ったらすぐに色々とすることがあり忙しくなりそうですが、日本でたくさん美しいものを見て、楽しいことをして、英気を養ったような気がします。
イタリアのお家の方も、かなり寒くなっているようで・・・・ 覚悟して帰らなくっちゃ!
by tomomato
| 2016-11-08 22:35
| お出かけ
|
Comments(6)
Commented
by
africaj at 2016-11-09 00:16
遠野、お母さまと楽しめてよかったね。
オシラサマ、私、蚕の神様と思ってた。
いずれにしろ、遠野はちょっと雰囲気ある不思議なところよね。
日本に来る前にもう暖炉つけてたものねー。
向こうは寒いのだろうな。覚悟して帰ってね~♪
kumatoさん首長くして待ってるんだろうねー。
オシラサマ、私、蚕の神様と思ってた。
いずれにしろ、遠野はちょっと雰囲気ある不思議なところよね。
日本に来る前にもう暖炉つけてたものねー。
向こうは寒いのだろうな。覚悟して帰ってね~♪
kumatoさん首長くして待ってるんだろうねー。
0
Commented
by
la_mia_coccolina at 2016-11-09 06:58
tomさん、もう明後日には帰国されるのですね~
イーハトーブの旅、私も一緒に旅をした気分になりました♪
両親が車で遠出するのが好きだったのでこの辺りの話も聞いていたのですが、若かった私はふ~ん、良さそうだね~くらいの軽い感じで聞いていたものでした。
でもやっぱり素敵ですね~♡
友人のおばあちゃまが遠野に住んでいて、語りべをしていたと聞いたことがあります。
今になって無性に行きたくなりました。もっと東北の旅をすれば良かったなぁ。。。
イーハトーブの旅、私も一緒に旅をした気分になりました♪
両親が車で遠出するのが好きだったのでこの辺りの話も聞いていたのですが、若かった私はふ~ん、良さそうだね~くらいの軽い感じで聞いていたものでした。
でもやっぱり素敵ですね~♡
友人のおばあちゃまが遠野に住んでいて、語りべをしていたと聞いたことがあります。
今になって無性に行きたくなりました。もっと東北の旅をすれば良かったなぁ。。。
Commented
by
tomomato at 2016-11-09 08:32
africaさん、本当にこの旅行ができて良かった〜 母との時間の一瞬一瞬がありがたいの。 オシラサマ、娘が子供の頃から厩の方にばかり遊びに行っていて、馬が好きなんだな〜って両親は思っていたけれど、年頃になっても友達も作らず厩にいて、やがて結婚するって言い始めたんだって。 それでお父さんが怒って馬の皮を引き裂いて殺してしまうの。 娘はあまりの悲しさに命を絶とうとしていたら、 馬が自分の皮で娘を包んで、天に昇っていって神様になったんだって。 それ位馬が遠野の生活に身近で大切にされてたってことらしいよ。 お話はいいけれどこのお部屋はオシラサマがぎっしりで怖かった〜〜 向こうは相当寒いらしい。 あったか下着買ってきて帰る〜 後でメール送るね。
Commented
by
tomomato at 2016-11-09 08:33
lamiacocolinaさん、 今回は長くいたのに、ほとんど東京にはいなくてあっという間に過ぎてしまいました。 イーハトーブ、本当に良かったです〜 是非是非いらしてみてください。 今は新幹線で、大分近くなったから〜 まだまだ、子育てが一段落して旅行はこれからでしょう〜〜!!
Commented
by
francana at 2016-11-10 17:15
宮沢賢治、こどものころに童話を何度も読んだものです。何冊も家にあってお気に入りでした。彼のイーハトーブでの活動はほとんど知らなかったのですが、こんなところなのですね。宇宙とつながっている、ですか・・・
それにしても紅葉がすばらしい。どの写真もいいけれど、カッパ淵の、一部の葉だけ赤くなった木に惹かれました。tomさんの旅のお話はいつもたのしいです。お母様も喜ばれて、よかったですね。
もうイタリアへもどられたかしら、kumatoさん待ちかねているでしょうね。お返事は落ち着いてからで構いませんので~
それにしても紅葉がすばらしい。どの写真もいいけれど、カッパ淵の、一部の葉だけ赤くなった木に惹かれました。tomさんの旅のお話はいつもたのしいです。お母様も喜ばれて、よかったですね。
もうイタリアへもどられたかしら、kumatoさん待ちかねているでしょうね。お返事は落ち着いてからで構いませんので~
Commented
by
tomomato at 2016-11-11 21:36
francanaさん、 彼は農業指導者として、先駆的な活躍をしたのですよ。すごく理想主義で、 農業の知識だけでなく、絵や音楽など芸術できなものもみんなに紹介していたようです。 あの時代にすごいなあと思います。 紅葉、本当に本当に良かったです。 紅葉目当てに行ったわけではないので、 嬉しい驚きでした。 機会があったら、是非是非秋に、いらしてくださいね。