ベルリンの個人的印象10 最終回!







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ベルリンの街を歩いていたら、所々にこんなものが道に埋め込まれていました。





この住所から、 連れて行かれたユダヤ人の名前が一人一人記録されているのです。







ベルリンから帰って来ていろいろと調べていたら、中にはホロコーストは無かった、 あるいは多くの戦争と同じように虐待はあったけれど、少なくともガス室は無かった、  全ての話はユダヤ人のでっち上げであったと言う考え方があるということを知りました。  日本でもアンネフランクの日記がウソであると、破った人が捕まった話を最近耳にしましたが、 それはこの考え方がおそらく根拠にあるのですね。  





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何が真実であるのかは、 正直言って、今の私には分かりません。   そしてそれが事実であろうと無かろうと、戦争が起こり、どの国も大変な犠牲を払い、 そしてその犠牲を払った多くが一般市民であるということは確かです。  考えられない程の人が、 苦しみ、 血を流し、 命を落としました。
もし事実であるとしたら、 それを行ったのが人間であると言うことが恐ろしい。
そして、事実でないとしたら、 わざわざそうした大々的なウソを利益のために作り出すと言う人間の心が恐ろしい。  
どちらにせよ人間の心の奥底に眠る暗い闇が作り出したこと、 怖いです。 

   
 私の父母も、 祖父母も、 その歴史の最中を生きた人達です。  父が亡くなるまでの数年間を見守っている時、それまで話したことも無かった(辛過ぎておそらく記憶の底に閉じ込められていた) 過去の思い出が浮かび合って来たことが何度もあって、 父一人の人生なのだけれども、実はそうではない、 その時代が、 その時の世界と日本が、父という個人の中に生きているのだということをまざまざと見せつけられた思いがしたことがあります。 運命と言ってしまえばそれまでだけれど、その運命というのは、 一人一人のものであり、けれども同時に全てとつながっている、 そんな気がしました。  

東北地震があり、福島の原発が爆発した時、 本当はフランス文学者になりたかったのに、第二次世界大戦後に国を建て直そうと必死で人生を捧げ働いて来た父が、 その前年に亡くなっていて良かったと正直思いました。  今、父が生きていて、 せっかく立て直したと思っていた国がこのような状態になっていることを知ったら、 何と思ったことかと胸が締め付けられる思いがします。 






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ベルリンを歩いていると、 あちらこちらにその戦争の余韻が残っていて、 何とも言えない気持ちになりました。
 
ちょうどベルリン滞在中にウクライナ侵攻のニュースを聞き震撼とし、 そして日本と中国との戦争の可能性についてある人と話題に上り、 さらには滞在中に3月11日まで重なってしまったものですから、 ベルリンの体験と、そうした今現在の世界の動き、日本の動き、 私の置かれている世界と時代とが全て重なって交差して、 なんだか心の中がぐちゃぐちゃになってしまいました。 









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そうそう、学校がアトリエを借りていた同じ建物の中で、奇しくも日本人とその他のアーティスト達が’FUKUSHIMA'をテーマにした展覧会をやっていました。  

内容は・・・・・・・  


私はあまりコンセプチュアルなアートは好みではないので、何とも言えません・・・・・・

ただ、その展覧会のオープニングで、 一人の若いアーティストが(日本人・女) パフォーマンスをやるというので見に行きました。  パフォーマンスというので踊りか歌か? などと思って探したのですが何処にも無い。
やっと、一室にたくさん人が集まっているのでここだろうと思って入ってみると、一人がじっと椅子に座って何やらもぞもぞしている・・・・・


その周りには、20cm四方くらいのガラスが積み重なっているものが幾つも置いてあって、 下から提灯の様にライトで照らされています。


いつまでたってもその人はほとんど動かず、 誰かが接近して写真を撮っているのでそれがパフォーマンスなのかどうかも良く分からない・・・・・ 

何じゃこれ????  と思って思わず立ち去ろうとしたのですが・・・・





でも、しばらくたって、はっと気がついたのです。


唯黙々とそこに座って指にくるくる髪の毛を巻き付けているその女の人、 何と髪の毛を抜いているではありませんか。  ただただ、 髪の毛をいじくって、 くるくる巻き付けて、その度に抜いているのです。  もくもくと。



そして、 その人の周りに置かれたガラスが積み重ねられたものをそっと見てみると・・・・



         ガラスの板と、板の間に、その、抜いた髪の毛が挟まっているのです。 


それが何重にも重なって、下から光が照らされて、 微妙な影を作り出していました。



抜いた髪の毛は、 そのままそばにおいてあるガラスの上におかれ、 その上にまたガラスの板が置かれ・・・・また髪の毛を抜いてはそのガラスの板の上に置かれ、そして新たなガラスの板がその上にのせられる・・・ 




それがわかった時、 ずきんと胸が刺されたような気持ちになりました。 

一緒に行った日本人の友達と顔をあわせて、 もう痛々しくてその場を離れました。

日本人以外の人には、 そのパフォーマンスが意味するものはまったく伝わっていませんでした。パフォーマンスとしては、決して完成されたものではなかったし、そのアーティストの行為は一体何? わけわからんとといって立ち去った人も多いと思います。 

多分、日本人にしか、分からないのだと思う。 



髪の毛が抜ける(抜く)ということ。
ただ、自閉症の人の様にそこにじっと座って、 髪の毛を一本ずつ抜くと言う自傷行為。 そうするしか無いという無力感。 
ガラスとガラスの間にその髪の毛が薄く挟まって、 光があたり、 はかない影を作り出すということ。  
その照らされたガラスの山は、 彼女が髪の毛を抜くたびに新たに加わる。
絶望

  



全てが、 痛々しく、辛かったです。







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今回は、土日を挟んでハンブルグに行ってしまったので、 例えばフリーマーケットとか、楽しいことを逃してしまいました。
ベルリンフィルのコンサートにも行きたかったが行けなかったです。

いろいろなことを逃したのですが、 でも、今回の私のベルリンの旅は、 そういう楽しいこととは別の次元での意味があったのかな・・・・・と感じています。   

ベルリンは寒いものと思い込んで履いて行ったブーツが悪くて、 人生経験したことの無い酷い靴ズレを起こしてしまいました。 足の裏に、数cmの水ぶくれが!!!   歩くたびにずきずきと針のむしろを歩いているかのような痛さが走るのですが、 それでも歩き続けたベルリンの道でした。 帰って来てからようやく靴擦れの傷が良くなり、足の腫れもひき、  そんな頃に、 ベルリンにいた時には言葉にならなかったいろいろな疑問が自分の中にはっきりと言葉を伴って沸きあがり、 考え、調べ、また考え・・・・・・・


良い旅だった・・・ 私にとって、タイムリーな旅だった、 と思います。







ベルリン

また、行く機会があるかな・・.??? 









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次回はフリーマーケット、行くぞ! 003.gif

お友達家族が、モのすごく可愛い模様の陶器のノブ(引き出しとかドアにつけるもの)をベルリンのフリマで見つけてたのを昨日見てしまったので・・・・016.gif


   


















by tomomato | 2014-03-26 18:00 | お出かけ | Trackback | Comments(4)
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Commented by fran0923 at 2014-03-27 09:32
おはようございます。
とてもいい旅でしたね。

戦争が終わって何十年も経っていますが、ベルリンの街角には今も見えない深い傷が残っていると思います。
それが若い頃には気づかなかったことも、今だから分かると言うことなのではないでしょうか。

一言では言い表せないでしょうが、tomomatoさんの心に感じたベルリン=ドイツという国を通して、日本のことや、平和そのものを深く認識したのだと思いますよ。

私が行った時、日曜日にマーケットで、古いディプレッションガラスの、スピリット用小さなグラスを買いました。
今もそれが大好きです。
絶対行くべきですよ〜!!
Commented by tomomato at 2014-03-27 18:37
fran0923さん、 いや〜〜 今回のベルリンは、一体なんだったのでしょうね・・・ って感じです。 ふらふらくっついて行ったのはいいけれど、 当初楽しもうと思っていたもくろみとは全然違う所に焦点が当たってしまって。 濃い旅になりました。  前にベルリンに行った時には、 本当に仕事や勉強だったので、缶詰、ほとんど街を歩いていないのです。 一日遊びに行った時には、車で友達の思い出の場所をあちらこちら(素敵なとこ)いって、ベルリンフィルのコンサートが山だったもので。 でも、私達の滞在したこのミッテ、クロイツベルグのあたりがやっぱりすごい濃くて、最初から衝撃を受けたのが大きいと思います。    今の日本の状況があまりに酷いので、 余計に敏感になっているのかもしれませんね。  フリマ、 是非いきた〜〜い!!!   次回に是非!
Commented by oliverlocca at 2014-03-28 16:09
tomoさん
この、日本人の方のインスタレーションすごいですね。
彼女の思いが伝わります。
今となっては、先進国の国々がみんなして戦争をしていたのが
ほんのひと昔だと思うと、世の中は何て変わったのだろうと思いますが、どの国も平和になって欲しいと願うばかりです。
Commented by tomomato at 2014-03-28 17:37
loccaさん、 本とついこの間までみんな戦争していたのよね。変な時代だよね。でも、 そのことをもう忘れて戦争の方向に向かい始めている所もあるから(我が国も含め) 超信じられない。  インスタレーションは、本当に稚拙だけれど真実をついていてかえって怖かったよ。真実があるものって、心を打つんだよね。
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