ベルリンの個人的印象 7





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この日は、 学校のみんなとハンブルグ・バーンホッフ美術館にヨゼフボイスの作品を見に行きました。
Johannes Stüttgen というボイスの生徒であり、アシスタントであり、ヨゼフボイスの研究者、執筆家である方をデュッセルドルドルフから来ていただいて、案内をしてもらうことになっていたのです。 今回の学校の旅行のハイライトでもあります。





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期待感高まるみんな・・・・
地図を一生懸命見て方角を確認する、都会方向音痴のkumatoさん(笑)





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何しろ芸術家の卵達、勝手気ままですからね、みんなで一緒に駅に行くのも大変・・・・ その上この学校、フランス語しか出来ないとか、英語しか出来ないとか言う学生もいるので、 てんでバラバラになります。 (一応学校はスイスドイツ語圏なので、ドイツ語なんですけれどね、フランス人率が高く、私なんか輪に入れずにいじけること多し)










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仲良し先生二人は、ベルリンの街を風切って歩く・・・・kumatoさん、方向音痴で不安になっていましたが、みんなと一緒に出かけるのなら安心しきっております。







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さて、ここは、元、ハンブルグ方向に行く電車の発着駅であった場所が、後に現代美術館になった所です。









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駅だった空間がこんな風な建築になって、素晴らしい雰囲気でした。






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さて、 左がStüttgen氏





残念ながら、著作権の関係でヨゼフボイスの作品が入った写真は一切公開しては行けないことになっておりますので、実際に何を見たかお見せできないのです。 残念。   そこで私が何を体験したかということだけ簡単に述べたいと思います。



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私、ボイスの生き方、あり方、そしてソーシャルアートの概念はとても興味があり好きでした。 高校生の頃に本を買って良く見ていました。 それから彼の初期のドローイングは繊細で美しく、 感動的です。 けれども、 彼の奇妙な彫刻作品群は如何しても良く分からなかった・・・・・・・・・  002.gif   ハンブルグの美術館にもいくつか彼の作品があるのですが、 風呂桶に何かが入ったものがで〜〜んとあったりして、何じゃ? 008.gifって感じ。





この美術館も、 もし私一人で入って作品を見ていたら、おそらく ふ〜〜〜ん 044.gif
って感じで通り過ぎていたかも。 



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このstüttgen氏が、 私のジョゼフボイスの作品に対する評価を変えました。

彼、情熱的に話すのですよ。 ボイスについて、作品について、時代について、  そして疑問を投げかける。 一緒に考えることを要求する。  一つの作品に対して本当に長く、いろいろな角度から話をなさるのです。


その間、私達はず〜〜〜っと立ちっぱなしで、 彼と一緒になって、前から、後から、いろんな角度から作品を見てみる。 物理的な角度から、そしていろいろな心の角度から、 本当にいろんな見方をするのです。   


後でおっしゃっていたけれど、たくさん話すのは、そうでなければ一瞬見て通り過ぎてしまうところ、その間にみんながその一つの作品の前にとどまり、じっくり見るためでもある、とのことでした。



実際、 話をひたすら聞いてみんなでじっくり見ている間、 不思議なことが起こり始めるのです。 最初は訳の分からない物体だった作品が、なぜかいろんな見え方がして来て、 質感も量感もかわり始めて、 動き始めるのです。 ( 実際に物理的に動く訳じゃありませんけれど) 
単なる物質的な存在が、なぜか生き生きと命を持ち始め、 存在の意味を持ち始め、 私と言う個人と、そしてそこにいるみんなと関係を持ち始めるのです。  


こんな体験は初めてだったので、 本当にびっくりしました。 ソーシャルアートとは、これか! と思わず膝をたたいてしまった程です。 


例えば、アトリエ?のがらくたがわんさか詰め込まれてギプスで固められた箱が壊れて、そのがらくたがただ散乱しているような作品、  一人だったら3分もその前には立たないかも・・・・・・ 

でもお話から、そのがらくたと一緒に固められた中に、 うさぎが埋め込まれているのだと聞いて・・・・・ 最初はぎょっとし、 ボイスって変態? とか疑問がわいて、うさぎの足の骨がちらっと見えるのにぞぞぞっとして・・・・  でもボイスにとってうさぎが象徴するものの意味を知り、 またじっくりと見て・・・・

最後には、使い古された絵の具のチューブやら、注射器やら薬のカプセルやら、筆やら包帯やら、 そうしたもの一つ一つが意味深いものに見えてくるのです。  さらには壊れた箱の中のギプス詰めになったがらくたが崩壊して、かけらが散らばり、血のような赤い絵の具がかかっている様子が、 東北地震の津波の後の状態が思い出されて何とも言えない気持ちに。     一つ一つのがらくたのかけらの中に残る人の気配と、一瞬にして失ってしまった命と、物質の儚さと・・・・・・・・  

もう、ほとんど想像と創造の世界に入り込んでしまう体験をしました。 

全然違う一つ一つの作品の裏に流れる一本の筋のようなもの、 ボイスの姿が、 最後には心の中にしっかりと残りました。





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お話は午前、午後と、4〜5時間続きました。 仕舞にはみんな、 無料で借りれる携帯椅子を借りて来て座ってました。 003.gif




でも、 みんながみんな、 私と同じ体験をした訳ではなく、 話がぐたぐた長過ぎる! と怒る人もいたのだそうです!! (それも一人だけでなく) お話の中では、自由とはなにか、何が芸術か、何が思考か感情か、といった哲学的なアプローチもありましたので、 良くも悪くも参加者全員の心をかき回し、刺激を与えた、 そういうすごい力のある方なのだと思います。 



私は、このためにベルリンに来た価値があった! とも思えるような、そんな体験をさせていただきました。 ボイスの作品が大好きになった! という訳ではありませんが、 ボイスが何を目指していたのか、本の少し分かったような気がしますし、 そこに横たわる訳の分からない物体がどれだけの意味が隠れたものであるのかということを体験することが出来ただけでも、これから何かを目の前にした時に全然違う見方が出来るのではないかと感じます。




さてアトリエに帰ると

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この日を境に、 みんな、すごい勢いで作品制作に打ち込んでいましたよ。 

何かが、 みんなの心の中で動いたに違いありません。






    
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さて、この学校のプロジェクトルームの案内の作品   どこかで見た覚えが???





そう、openと書かれた紙に隠れているけれど、 kumatoさんが拾ったポスターに描いたドローイングでした・・・・003.gif

















by tomomato | 2014-03-23 21:04 | お出かけ | Comments(0)
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