しばらく見ぬ間に天井が・・・・
しばらく修復・改築中のお家に無頓着で、お台所で汗かきまくってお料理に明け暮れている間に、いくつもの変化がありました。
まずは、アトリエの天井が出来かかっていたこと!!!
上の写真は小さなアトリエの方・・・・ 完全に天井が出来ています。 昨日の記事ですいかのまな板に使われていた、割と幅の広い厚めの木を使っています。 アトリエの天井は光をより多く反射させるため白でないといけないので、あらかじめカルキで白くラズア(木目が少し残るように薄く塗る)してから張ったようです。
大きなアトリエ
ハンモックを吊るして休憩所にしていた部屋です。
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こちらの方は、 終らせるはずが、 木が途中でなくなってしまってここでとどまっているようです。
というのは、イタリアはフェラゴストという夏休みがあって、材料を買うお店が全て閉まってしまっていて買い足すことが出来なかったのです。 きちんと面積分、測って木を買ってあったのですが、何しろ部屋自体が曲がっていますし、梁の太さ、形もまちまちなので大分木に無駄が出たそうです。
だからkumatoさん、 まな板につかっていたのか〜〜〜
天井が出来ただけで、部屋らしく見えますよね!
本当はアトリエならば、屋根の形にそって勾配天井(屋根の形の天井)にして高い天井が最高で、 こうやって天井を塞ぐのが少し残念なくらいなのですが・・・・・・
1 勾配天井にするには、まず全て屋根の石を取り外してから屋根の梁の構造を変え、断熱材をはり、また石を戻すと言う作業をしなければいけない。 ーーー お金と時間が異常にかかる。 むしろ屋根も落ち込んでしまった廃虚を買って、新しく屋根を作り直す方が簡単。
2 若き天才建築家、アンドレアの意見・・・・
勾配天井にすると、 万が一屋根に水漏れ等の問題があった時に直ぐに気がつかない。 気がついても家の外側からしか点検、 修理が出来ない。 そういうことから考えても、 この昔の石で出来た屋根(本当に普通の平らな石が、瓦の代わりにのっているだけの屋根なのです) に勾配天井にした場合の屋根の持続年数は多く見積もって50年くらいだろう。 (問題に気がついた時点で、既に梁等が腐っている可能性がある。 問題が大きい場合には、天井も屋根も両方壊して修理をする必要がある。) それに対して、 このように天井を作って上に上がれるようにすれば、問題があってもすぐに点検、修理が可能。 石をひとつ二つ動かすだけで、問題は解決できる場合が多い。 そのようにしてこの建物はこれまで400年以上も変わらずに存在することが出来たのだ。 Sustainable (持続可能) な建築 という観点から、 絶対に勾配天井にするのは反対!!! だいたい、 今既に問題のない屋根を全て外してまた戻すと言う作業をすること自体がナンセンス!!!
と言うことでした。
私なんか、 表向きにカッコヨイ、あるいは実用的ならば勾配天井の方が絶対に天井高くていい!と思うのですが、(特にアトリエなら高い天井の方が良いに決まってる) まず、 資金に限りがあること、 また、 Sustainable ということまで持ち出されると・・・・・
kumatoさんも、 資金の関係、それから健康な屋根を外してまた戻すと言う作業がナンセンスと言う点では、アンドレアと一致しています。
うちも、一部、屋根が落ち込んでしまった小さな棟があるので、出来たらその部分は勾配天井にしたいな、とは思っているのですが、アンドレアはどのように言うでしょうか? (私が生きている間50年持てばいいよ! といったらひんしゅく買いそう・・・・ )
梁は、 天井板と同じように白く塗るか、そのままの木の質感を残すか大分迷ったのですが、今の所そのまま残すことに落ち着いています。 アトリエとしては、 天井が全て真っ白な方がニュートラルで良いのではないか? とkumatoさんも私も一致したのですが、 何百年もそこに佇む梁の木の質感があまりに美しく、 白く塗ってしまうのがなんだかもったいなくって・・・・・
絵を描き始めてどうしても梁の茶色が邪魔になるようならそれから塗ることにします。
この部屋の床は、 コンクリートが出来る前の昔の人の技術で、カルキがしき込まれています。(見た目はコンクリートっぽいけれど、もっと自然な土間のような感じ) それは、そのまま残して使うことにしました。 どうせアトリエは汚れるし、 上に紙やプラスティックのシートをして使うことになるし、 昔のカルキの床もいい感じではないか、ということで。 また、 外すとなると、コンクリートを外すような大変な作業になり、 床を支えるその下の階の天井を壊すことになるかも知れないという危険もあるからです。 外さずにその上にコンクリートをしくと、今度は重くなって、これ又床が落ちる危険が・・・・・・・!!!
kumatoさんの今のお家では、一階下の天井板を全て外して、上階の床を取り去り、普通のコンクリートの床にしてまた天井板を戻すという作業をしたそうですが、 断熱材など入れたにも関わらず、上階の話し声等筒抜け、全然意味がなかったと言っていました。他にも、 完璧主義で、既にあるものを壊したり外したりしてやり直して仕上げたそうで、(壁に塗り込められていたカルキを全ていったん剥がして新しく塗り直す、など) それらの途方もない手間が、果たして意味があったのか疑問に思うと言っていました。
そうした経験から、ひたすら今あるものを出来たらなるべく生かして行くやり方で、今度の家はやりたいと言うのですが、 何も経験のない私は、 そうかもしれない・・・・・ と素直に思っています。 既に400年以上存在しているこの家ですから、 その存在を敬い、 直すべき所は直し、 直す必要のない所はいじる必要はないのではないか、 と私も思います。 お金もかかるしね。
それにしても、 小さなことであれやこれや考えることが多く、 家を建てるって大変な事だな、 とつくづく思います。
さて、 出来た天井の上に上がってみます。 小さなアトリエの天井裏
人が十分立てる高さがあります。
ダニエルに、 アトリエとアトリエの間に(天井裏)ドアをつけてもらいました。 ここはもとは窓だったのです。 と言うのは、 片方の部屋の棟部分がもう片方よりも後から建てられたもの。 古い方の建物には外に向けて窓があり、 後から家が付け足されたので窓としての役割が無くなったのです。
この家はそのように、1600年から1800年代までに、 後から継ぎ足し継ぎ足し立てられたようで、あちらこちらにそのなごりが残っています。
もうひとつの窓から外を見てみると・・・・・
この楝に続く楝の屋根が見えるでしょう??? なんだかロマンティック!
この屋根の勾配は激しく、 ちょっと怖いわ。 むこうの方に見える、一度塞がれた煙突を開かないといけないんだけれど、一体誰がこの屋根に登れるだろう????
大きなアトリエの天井裏に入ってみると・・・・
けっこう大きなスペースで、 今は奇麗なので子供達の夏の合宿とかできそう! なんだかとても気持ちのよい空間で。
でも、基本、窓はきちんとは塞がないそうです。 絶えず風通しを良くしておくことも大事だそうで。と言うことは、長年にわたって屋根裏部屋は凄いホコリだらけになります。 (今のお家がそう)
だいたい、石の瓦と瓦の間は隙間だらけですから。 だから余りものも置きたくない・・・
ロッカーとか置いて、ものをその中に入れるならいいけれど?
反対側、大きなアトリエの天井裏から小さなアトリエの天井裏を見た所
本と、もったいないくらいのスペースですよね。 でも、 これからもちろん、断熱材をこんもりと敷くのでスペースは大分小さくなります。
天井裏から庭を見下ろす・・・・
これら天井のお仕事は、simの手によります。
ダニエルは、 その間、せっせせっせと、 階下の石の壁をぶち抜き、窓やドアを作っていました。
写真は今回はとれなかったので、またいつか・・・・・
おまけ・・・
うちのお隣に村のシンボルのフレスコがあるのですが、そこの横の窓から・・・
遊んで遊んで!!!
by tomomato
| 2012-08-30 09:58
| 石の家の話
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Comments(2)
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by
yuriko_chan at 2012-08-30 15:23
デカすぎて想像できないかも
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tomomato at 2012-08-30 18:23
yurikochanさん、 でかくて古いだけが自慢の我が家です・・・(爆^0^)