今までで一番うれしかったこと 1

岩の上に家が立っているということが、正確にはどういう意味かということに続いて、床を掘り下げたことを書いたのですが、 今回はさらにその続きを書いてみようと思います。 


今日は、ちょっぴりにおうお話になってしまうのですが・・・・・・ 




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ある一室からベランダに出たところ。 ベランダの端っこに扉があります。 開けてみましょう。


じゃーん!!??


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ちょっと写真が暗くて分かりにくいかと思いますが、 このシンプルなお部屋は、そう、私たちに無くてはならないもの、ご不浄(トイレ)でございます。

ずっと昔、田舎にあった祖父の実家の、江戸時代からあるお家に遊びに行ったことがありました。その家には、縁側をずっと歩いていったその突き当たりに,トイレがありました。 そのお家はとても大きなお金持ちのお家だったので、 なんとトイレの床が漆塗り!? でとても立派だったのですが、何しろどっぽん式で、 その穴の奥が底なしのような気がして怖くて怖くて用を足せずに、泣いた覚えがあります。 (年がばれるな。) 昔の人はどの国でも、このようなトイレを使っていたのですね。 におう物はとりあえず外に出して・・・・・   


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畑の柵が邪魔になって、ちょっと分かりにくい写真なのですが、 真ん中より左くらいに塔のような物が立っているのが分かるでしょうか? 二階にバルコニーが張り出していて、(上の写真のトイレのあるバルコニーです。)窓のある塔につながっております。建物の左端にも、やはり同じような塔があります。 


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実は、これが昔のトイレの塔なのです。 もちろん、 ブツは、便器の?穴から下へ落ち、 その塔の下には大きな取り出し口が横から開けてあって、そのブツを直接外にかき出すことが出来るようになっています。  一階は全て家畜小屋でしたので、 家畜小屋から流れて来たものも外にかき出し、また、人間のそれも、 かき出して一緒に積み重ねて、昔は堆肥にしていたのですね。 貯めて置くための石塀もこの塔と家畜小屋の入り口にありました。  何とエコロジカルな。 昔の人たちは、何処の国でもそうしていたのですね。    

ただ、この地方は、夏はかなり暑くなるので、 衛生的にはどうだったのでしょうか?  ちょっと考えるのが怖いです。
現在、普通の家でも、この田舎の暮らしでは、清潔にしていても毎年ある時期1−2週間、異常に沢山蠅が外から入ってくることがあるのです。 ましてや肥だめが外にむき出して家のすぐ隣にあるとなると???  (ぎえーーー考えたくない!)

最近は、パーマカルチャーで、やはり排泄物を堆肥に利用する考えから、コンポストトイレを作ることを勧められていますが、 本で見た限りでは、もっと清潔で役に立ちそうなシステム。 考えてみれば、畑をする人たちが大切な堆肥となる排泄物を水に流してしまうのは、もったいない話ですよね。前に、農家のそばを通った時にお友達が、家畜の糞が山積みになった横を恐る恐る通り抜け、臭い!なんてひどい匂いなんだ! といったら、 畑をするkumatoさんは、 なんていいにおい! 僕にはこれは黄金だよ! といっておりましたくらいですから。 ただ、やはり昔この家に住んでいた人たちの様に、排泄物が裸で積み上がっているそのすぐ上に住むのはつらいなー。 


中庭側にもこのようなトイレがありました。 ドアはとれてしまっているのですが。


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kumatoさん、ふざけて座っております。 kumatoさんの名誉のために、断じて申し上げますが、’している ’ 訳ではありません! ’ふり ’ だけです! (爆)


ところが悪のりしているkumatoさん、 用を足し終わったふりまで・・・・

うーーーーーん・・・・ほっ!!  (脱力?)
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たまらない表情・・・   下に、石をつめて閉じてありますが、 ブツを取り出す取り出し口があるのが分かりますか?  しかし、このトイレをいったい何家族が使っていたのか? 住居の入り口すぐ下に、ブツが積もっていて本当に大丈夫だったのだろうか? (しつこいけれど)  
遠い中世の生活を思うと、何とも言えない気持ちになります。  今とは全然違う生活を営んでいたのでしょうね。

テルミエロマエによると、古代ローマでも原始水洗トイレがあって、 これとそっくりの穴の開いた便器のような物があったようですから、それから中世まで、 少なくとも田舎ではトイレ事情はローマ時代から、余り変わっていなかったということなのでしょうか。(古代ローマでは水洗!?のところもあったみたいだから、その方がまだすすんでいた?)  フィレンツエやローマなど都会では、たとえばメディチ家とかは、どのようなトイレを使っていたのだろう?  急に興味がわいてきました。  昔フランスの宮殿かどこかで、昔のトイレを見たような気がするけれど・・・・・・ 

ところで、この村では、つい最近、去年の9月頃まで下水道が通っていなかったのです。 丁度私たちがジャングルを切り開いている頃に、下水の工事をしていました。 それまでは地下にタンクを埋めた浄化式だったようです。 (一応トイレは水洗ですが、 ブツは地下に埋まった3層のタンクにためられて、自家浄化される仕組み)


最初の、ベランダのトイレがある部屋は、 おそらく1960−70年代くらいまで、どなたかお住まいだった、ただ一つの部屋で、弱い電力と細々と流れる水道がありましたが、 下水はなく、その方はこのトイレを使用なさっていたようです。 台所の排水は、そのままホースで庭に直接流れるようになっていました。 シャワー等はなし。  

その後、 スイス人の方が15年前に購入されて、13、4年くらい前までは、休暇に年に2、3日いらした時にも、この昔トイレを使っていたらしい・・・ らしい、というのは、聞いた訳ではなく、 この昔トイレの上にプラスチックの便座があり、 もう10年以上たっているのに、いまだに何とも言えない’香り’の余韻が漂っていて・・・・。
トイレ自体に、外から吹き込んだ木の葉と土が積もっていて凄い惨状であった上に、その何とも言えない’香り ’が、本当に堪え難く、軟弱者の私は一応お掃除はしましたが、 ついにこのトイレを使うことはありませんでした。 

でも、 この地域の別のところに、やはり16世紀くらいの家を最近購入したお友達は、 友人と一緒に最低限の改築をして、 何とトイレはこれと同じ物を利用しているのです! ペンキで奇麗に塗り替え、 なかなか素敵に?してありました。 真冬に招待された時に、雪の降る中、夜にはろうそくを持ってトイレに入っていました。休暇にしか来ないとはいえ・・・ 
本当は、下水道につなげなければいけないという決まりがあるのですが。 

さて、8月から土地を整備し始め、朝から夜までここで作業する私たちが一番困ったのは、 まさしくこの点でした。  寒さ、暑さには耐えられるし、水は近くの村の泉からくんで来られるので良かったのですが、トイレは・・・・・ 

夏は、まだ良かったのです。 背の高さほどまである茂みがありましたから。(爆) 

ところが土地を整備してしまったうえに、しかも段々冬になるにつれ,庭は丸裸になって行く・・・。 隠れて用を足すところがないではないか!  それでも、まだまし、 まだ良かったのです!

やがて春が近づくと、 気持ちのよいあたたかな陽気になり、 村の皆さんがあたりをうろうろし始めるではないですか!  (大涙)  また、 2月から、わたしとkumatoさんだけではなく、2人の若者の石大工さんに入っていただいているので、 その方達もあたりを絶えずうろうろ・・・・・・ (*0*)  いったいいつ、何処で大切な用事を済ませたら良いのでしょう!??? (大涙) 

とっても恥ずかしい話なのですが、 一度、切羽詰まって物陰に隠れて、さてしようという時、 何と距離はあったのですが、 石大工さんの気配を感じ!?  危機直前! 
すっかりあわてて、さらに姿勢を低くして地面に腰をつけて隠れようとしたら、 な、 な、 何と! 

その下に、 ネトルの小さな芽がびっしり一面に地面に生えているのです!!!!   ネトル、ご存知でしょうか。(西洋イラクサというそうです。) あれを触るとやけどをしたように激痛がびびーーーーと走り、 水ぶくれになり、 その後しばらくびりびりするのです!??  なにしろ、私は今こそという時でしたので、 むき出しのお尻がびっしりと生えたネトルの上に・・・・・・

その後数日、 お尻全面の水ぶくれと痛みで苦しみました・・・・・(大汗)。 

また別の寒い冬の一日、 kumatoさんが来客を案内中に、その人たちに気を使って用を足しに行けず、あまりに長く我慢してしまったために、ひどい炎症を起こしてしまったことがあるのです。  その日の夜からかなりひどくなり、40度の高熱が何日も続き、自然療法で直すには危険な状態までに。   かなり長期間の抗生物質治療を余儀なくされました。 男の人は、なりにくいけれど、一度なると女の人よりも危険だそうですね。 なにしろトイレが無いので、 お客さんをご案内している時に、 用を足しに行きたいとはちょっと言いにくかったのだそうです。 


という訳で、ちゃんとしたトイレは、 私たちの(特に私の!? ) でした。

それと、 岩の上に立っているということが何の関係があるのか? はたまた一番うれしかったこととは?   つづきはまた次に。


















大昔、
by tomomato | 2012-06-17 05:57 | 石の家の話 | Comments(8)
Commented by Saki at 2012-06-17 09:09 x
トイレ事情に関しては、妹尾河童の著書『河童が覗いたトイレまんだら』で知っていましたが、
現代もそれで用を足す人がいるとは…びっくりです。
もしも未読でしたらおすすめの一冊です。

日本では、タンク式の仮説のトイレがレンタルであって、
セルフビルド中はそれを使ってました。
イタリアではないのでしょうか?
ネトルって初めて聞きましたが、痛そうです〜。
続きを楽しみにしてます。
Commented by waihekeparadise at 2012-06-17 09:53
ニュージーランド、ワイヘキ島のCocoです。
トイレは、なんといっても切実な問題。わかります、そのご苦労・・・。
田舎育ちのうちのダン(ダンナ)も子供のころ、トイレが外にあって、夜中に行くのが
怖かったそうです。草むらで用を足しててかぶれたこともあるそう。
今日の話題をなつかしそう(?)に読んでいました。
でも、着々と進んでますね。どんなふうになるのか、時間をかけてゆっくりと進んでいくのでしょうけれど、とっても楽しみです。
Commented by tomomato at 2012-06-17 15:27
sakiさん、 しょっちゅうコメントくださり、有り難うございます(^ー^) まだ、 余り沢山の人に見ていただけていないので、 ものすごく励みになる(^0^)   その妹尾河童の本、面白そう。 是非呼んでみたいです。 次帰国の時、探してみます!  仮設トイレ、 工事現場にはあるはず、 デモ借りることを思いついていなかった!!!!!  (驚)  ネトル、食べるとものすごく鉄分があって美味しいのですが、生の状態ではかぶれてやけど状態になるのです。(涙)
Commented by tomomato at 2012-06-17 15:28
waihekeparadiseさん、 最初に、ハワイなんて言っちゃってごめんなさい。 ワイキキと勘ちがいしてました!  旦那様にも見ていただけているのですね。 うれしいです。  臭い話で申訳ございませんが、どうぞよろしくお伝えください・・・・(^ー^)
Commented by ritokotoG at 2012-06-17 21:03
tomさん、すごいです。
もう、ネトルのところで、一緒に飛び上がりそうになりました。
村の方も歩くということは、周りに民家もあるんですね〜
ぽつんと建ってるんじゃないんですね
なんだか、すべてが、はるかに想像外。
続き楽しみにしております〜
Commented by vicolos at 2012-06-18 11:26
「古代ローマ」のキーワードで偶然コチラに参りましたが、記事、大変面白かったです。
写真のお家に住んでいらっしゃるのですね。
トイレの他も面白いところがありそうな気配です・・・

時々、お邪魔させていただきますのでよろしく^^
Commented by tomomato at 2012-06-18 15:46
kotoriさん、  ネトル、 ご存知でしたか!?  (^0^)あれはひどかった。 鏡にお尻をうつしてみた時、卒倒しそうになりました。 本当に細かな水ぶくれが一面で!  カチカチ山の白ウサギ気分でした!  いつか記事にしたいと思いますが、 写真だと、私たちの家しか無いように見えますが、実は裏に村があるのです。 毎日おばあさん、おじいさんたちが、散歩がてら、 好奇心いっぱいにチェックしに来ます! 
Commented by tomomato at 2012-06-18 15:49
なんだか沢山コメントをありがとうございました! (^ー^) とてもうれしかったです! この家には、ほとんどの日中の時間を過ごしていますが、 まだ住んでいないのです。 来年あたり移れると良いなーと思っているのですが。 他のコメントにもそれぞれお返事させていただきますね。  早速リンク、本当にありがとうございました! 


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